母の日

母の日。娘は、母の日と誕生日が重なる友だちのお母さんを祝いに友だちの家に行くという。

前々日から友だちとそのプロジェクト?を立ち上げ、生ハムを使ったカーネーションサラダにパスタ、

2段重ねのフルーツケーキの準備をし、プレゼントもアクセサリーを作る計画を立てていた。

 

当日は学校に行く日よりも早く起きて、段取りを確認して出掛けていった。

おいしいものが食べれそうな気配に息子もしっぽを降って着いて行く。

 

お陰でこちらは日曜日なのに子ども不在という、ここ数年はありえなかった一日をプレゼントされた。

子どもが小さいうちは日曜日は休もう、と決めて定休日にしていたのに状況が少しずつ動いている感じ。

 

さて、どうしよう。

大分の美術館で魯山人の展覧会をしていたので、まずそれを見に行くことにした。

展示物が少しでもいいや、と思ったら広いスペースに100点も並んでいた。

しかも日曜日なのに空いていて、とても贅沢な気分でゆっくり見れた。

 

アーケード街を歩いていたらジュンク堂が再オープンしていたので入った。

5階まであって、近所にはない品揃えにしばらく滞在。

夫は探していた本があった!と両腕に数冊、抱えて戻ってきた。

私はジョージア・オキーフの住んでいた家を取材していた雑誌を見つけてしまい購入。

 

ジョージア・オキーフは海外を旅行していた時に、偶然2度も大きな展覧会に出くわしたことがある。

どちらも見応えがあって圧倒されたことはよく覚えている。

なのに、それがどこの国のどの町だったのか思い出せない(歳?)

展覧会だけが切り取られて、それ以外の記憶が抜け落ちている。

まるで夢の中の出来事みたい。

 

家の写真を見ていたら、オキーフの絵を見た時の匂いや気持ちが、もう15年以上前のことなのに突然、

蘇ってきて不思議な感覚に襲われた。本屋さんの中で誰にもわからず一人だけ瞬間移動してきたみたい。

こういう時って、時間てどんなふうに動いているんだろう?

 

ほんとうは実際に旅に出るのが自分にはあっているのだろうけど、それができない時、

本や写真や音楽や映画があるってありがたいなぁ。

 

前々から行きたかったカモシカ書店にも行った。

地方にこんな本屋があるなんて、もうなんといって良いやら、ずっと在り続けてね!!!と思うお店だった。

新刊本と古本と喫茶が一緒になっていて、しかも地元の商店街にも違和感なく馴染んでいる。

ここでこういうお店をしよう、という人の発想や志が地方を救う!というお手本のよう。

 

今は大きな街に行けば、雑貨屋のようなパン屋や、ブティックのようなコーヒー屋があちこちにあって、

どこもおしゃれで、隙のないくらい作り込まれているのをいっぱい見るけど、その根っこになるのは

やっぱりその店のオーナーの志。それがないと見た目だけのお店になってしまう。

 

それにしても最近は定規で引いたようなカッコイイ店が増えたと思う。悪くはない。

だけど私はなんというか、どこか手描きでつくっちゃった、なのに実はよく考えられていて、

センスいいなぁ、という空間が好き。

 

お店って深いのだ。

この一生のあいだに、自分が納得できるお店ができたらいいなぁ。

 

帰り道。

夫の両手には合計10冊の本が下がっていた。

もう暗くなってから友人宅に子どもを迎えにいくと、明かりの残った部屋の中に、色紙で作った輪っかのくさりが

飾られているのが見えて祭りの後感が漂っていた。そこで残っていた手作りのケーキを戴いておしゃべりして帰宅。

 

良い母の日でした。