先日の九州北部の豪雨。被害に遭われた地域の中に指定重要文化財である小鹿田焼きの里があります。
約300年(て、アメリカの国齢より長いんだぞー)、一子相伝で伝統を守る窯元が軒を連ねている
この里では家屋の損傷は少なかったものの、小鹿田焼きの原料の土を粉砕する唐臼(からうす)、
ーあの、ばったんばったんという音をさせながら、大きな杵がお餅をつくように土を砕いているー
の損傷や、水路の破損、山の崩落などの被害を受けました。
けれど一子相伝(男子一人が伝承する習慣)が続く家族単位の窯元の力だけでは復旧までに相当な
時間がかかります。そこで、小鹿田焼復興のための支援金の募っています。
ウチでも毎日、あたりまえのように食卓に並ぶ小鹿田焼き。
311を栃木で経験しマグニチュード6の地震でそれまで集めた食器の9割以上が壊れてしまったとき
もう高額な食器を買うのはしばらく不安だな、でも毎日使うものはやっぱり美しいものを使いたい!
と思ったとき、それまでは夫の民藝好きにつきあって(?)使っていた小鹿田焼きの存在が、
初めて自分の心に飛び込んできたのです。あの独特な瞬間は怪我の功名の一つ、と今でも思う。
小鹿田焼きって優しいなぁ、と救われたような気がしたのです。
その理由を考えれば、それは値段的なことでもあり、陶工の名前がなくても美しいことであったり、
安心感のあるデザインであったりするのでしょうが、もうその時はただパッとそう思いました。
それで、おくなが屋を始めるときにお店にゼッタイあって欲しいアイテムだった。
今さら、窯元から1時間の場所で小鹿田焼きを見せたって、新鮮さはないかも知れないし、
「なんで?」と思われたこともあったけれど、そういう短いスパンの商品でなない気持ちが
はっきりあったからぜんぜん平気で、むしろ誇りだった。
そう、私たちの311からの復興は小鹿田焼きとともにあったのでした。
だから、今回はそのお返しが少しでもできたらうれしい。
あの時の恩を返せるチャンスっ!と送金しようとして、ああそういえば、、、
あの豪雨以来、「何か手助けになることをしたいけど、どうしたらいいのかわからない」という声を
お店に来てくれる方から度々、聞きました。
だからもし一緒に気持ちを送りたい方がいてくれたらと思い、募金を集めることにしました。
もちろん直接、送金することもできます。
詳しくはこちら⇒ 小鹿田焼復興事業
でも銀行に出向くよりおくなが屋でお買い物のついでに、という方は金額の多少にかかわらず、
店頭にある募金箱に入れていただければ、責任をもって届けます。
無駄遣いをちょっと減らして、復興資金に!
ヨロシクお願いいたします。