詩「生きるとは」

また新聞から、です。

今度は子ども新聞。

最近の新聞も何か少しずつ変わってきているのでしょうか?

 

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17歳にして俳人の小林凛さん。

生まれつき体が小さく生まれ発達も遅かったためか

小学校でも中学校でもいじめを受け続けたそうです。

 

そして高校1年生の学年末、テスト用紙の裏に

詩「生きるとは」を殴り書きしました。

わずか10分で生まれた詩だそうです。

 

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生きるとはなにか

生きるとは「抗う」ことである

必ず訪れる死に、

理不尽な宿命に、

抗うからこそ生きていける

死を受け入れれば当然死ぬ

社会に飲み込まれれば生きる骸(むくろ)となる

宿命に負ければ望まぬ人生を送ることになる

そうならぬよう

抗い生きよ

できるだけ

腐った社会、壊せ

そして作り変えろ

万人が生きやすいよう

理不尽な宿命は利用しろ

転落の危機をチャンスに変えろ

 

争うことは

思惑通りにならないことだ

だから

切るべき寿命が訪れるまで

抗え、壊せ、利用しろ

生きるために、生き抜くために

 

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絶望したくなるような状況の中でも自らを奮い立たせ言い聞かせるような気持ちで書いたのかな。

何度も読み返してしまいました。

 

今の十代の子どもたちのすべてを理解することなんてできないかもしれないけれど

でも、時代が移り変わっても自分が十代だった頃にも感じていたことと

実はほとんど変わっていない人間の心に今でも共感してしまう。

 

最近になって、今までなら巧妙に隠されていたことが毎日どんどん膿のように出てきているのを

見ていると、もうすぐこういう感受性を持っている人たちに生きやすい世の中が来る気がする。

いつか、どこを見ても透明になって、人から搾取なんてできなくなって

そして、誰もが自分として生きられる世の中が訪れると。

 

10年後の未来の自分に会いに行けば「今は大変かもしれないけど大丈夫だよ。

今の経験が全部、堆肥のように人生の土壌を作ってくれるよ」と教えてくれる。

 

自分に出会う前から、自分の好きなことよりも、まわりに望まれることばかりを求められて

それに早く応えるトレーニングばかりさせられていたら、誰だって人生がわからなくなってしまう。

 

好きなことを手放さないで

自分の心が感じたことを諦めないで

今みつからなくても、いつか出会える日のために

せめて心の一箇所だけはその時からの人生のためにとっておく。

 

そこは無限の潜在意識にもつながっているから、いつか同じ思いを抱いている人ともつながれる。

自分が本心からしたいと思うことを喜んでくれる世界とつながれる。