ポスト311

今年は冬休みをいただき、7年10ヶ月ぶりに那須に里帰り(?)してきました。

 

311までは普通に生活していた那須と、曽祖父、高祖父も生まれ育ったお隣の黒磯。

(だから私の旧姓はこの地域に非常に多くて...きっと遠い親戚だらけなことでしょう!)

 

那須も黒磯も2011年3月12日から私たちにとっては時間が止まってしまった場所。

日本の中でこういう特殊な感情を味わう場所は他にない。

今でも夫婦揃って心の一片はいつも那須にあって那須で知り合った人たちの顔はいつでも

思い出せて、教えてもらったことや共感したことを胸に福岡での暮らしをつくっている。

この順序がなかったら今の自分たちもおくなが屋もないから運命的ではあるのだけど。

 

土地に立つと、たくさんの感情や想いがグルグルして、そこをムリに整理する必要もないので

そのまま受け止める。きっと似た想いを311を境に持った人はたくさんいるのでしょう。

 

避難しなかった人にも、した人にも大変だった311。

原発を作っていたメーカーも「もう原発はムリ」と公言したし、このエネルギー発生装置は

一体なんだったのだろうね?と今回、那須で再会した議員もされている方と話したけど、本当に。

原発は私たちの「何の」一部だったのか、それを更新して超えていく時期が来ていると思う。

 

収奪システムの頂点でもある原発がそうだということは、そういうシステムも順番に消える方向で

次の時代が作られていくのでは?と期待を込めて思っている。原発には直接、関係なくても、

知らぬ間に吸い取られているシステムがあるから安住できている、といった生き方もなくなる。

 

今まではちょっと幅を利かせていたこの世の付き(憑き)もの、重り。

人を測るモノサシ(成績とか偏差値とか学歴とか肩書きとか年収とか、)のイビツさや、

そのための我慢や忍耐や、不健康であたりまえとか、その不必要さに気づく人は気づき

そういう「苦しみ」のレベルからも解放される世界が先には広がっている気がします。

 

その前にはいろいろな浄化が必要だけれど、症状は出し切らないと根治しないので

気づいた人たちと手を繋ぎながら上手に乗り切る方向で進んで行きたい。

 

 

那須はやっぱりとてもいいところ!光、木々、空気、それらを含んだ風景。そして人。

あの場所選んだのはやっぱり当然だったと、今でも思う。

でもだからといって、またそこでお店を開きたいかというと、そこはあまり重要でなくて

これからは物理的な場所や距離だけでなく、もっとテレパシー的なつながりで住み分けが

進んでいく世の中になっていくと思っている。大事なのは外側でなく内側。

 

「繋がる人とは、いつだってすぐに繋がれる」ということもあらためて確信しました。

 

今回は急遽、東京での用事が入って、那須での時間が短くなってしまい会えなかった人も

たくさんいたけど、1200kmドライブすれば着くし、みんな親戚だし(笑)また行きます。

 

   平成の森から見上げた那須の空。