古いものを少し

新しい一年が始まりました。

西暦2020年、令和2年。2・2・2。

 

時の経つ早さにびっくりしますが旧暦では1月25日の新月の日から

新年なのでその時までに整えればいいか!という気持ちで迎えています。

 

その昔、古ーい物件をすてきな空間に蘇らせてすてきなお店を何件も

つくっているリノベーションの達人が「何か古いところを残すのが

好きなんだよね〜」と話してくれたことがあります。

 

だから、その人の作ったお店はどこかに前の持ち主が使ったままの部分が

残っているのですが、それが新しく造作された部分とつながってどこにもない

新しいけれど懐かしい落ち着いた空間として生き生きしているのでした。

 

もし、すべて新しいものばかりでまとめたら、それはそのまま違う場所でも

再現(コピー)できるかもしれないけれど、そこの歴史に同じものはないので

合わせたハーモニーには当然ものすごーくオリジナル性が醸し出されて

(うまくいくと)真似できない魅力になる。

 

そうするにはもちろんセンスも必要で、どこを残すのか?

新しく造る部分とどんなふうに合わせるのか?

をうんと考えてアイデアが降りてくるのを待ってキャッチする。

 

考えるスピードと工事のスピードが同じ、というのが理想で

そのためにはすべて自分たちの手でするのがいいけれど

実際には職人さんたちにお願いする割合が大きくなる場合、

実際、工事が始まれば思っていた通りにならないことも多々出てきて

ではその時にどう変更するか?というのも(そしてそんな時は職人さんの

スケジュールや部材の注文の都合などでたいていゆっくり考える時間はない)

施主に試される能力の一つなんだということを改修工事のたびに学びます。

 

だから方向性は軸としてキープしつつ具体的な部分は幅を持たせて

イメージしておくのがいいようです。

 

今回の改修工事でもやっぱりあまり作為的にではなく、残った古い梁や

階段の一部や壁があるから自分たちの空間として馴染んでいる気がします。

全部、新しいとなんだか落ち着かない。

 

アンティークの魅力もそれが凝縮したもの。

凝縮し過ぎて怖いものもあるけれど(笑)それを払拭するのが洗ったり

掃除することですね、余談ですが。

 

同じように全部、プロの職人さんにつくってもらうときれいすぎて上手すぎて

なんだかモゾモゾするのです。ヘタでもこうでもないああでもないと手を

動かして自分たちで作った部分があると愛嬌みたいなものが出て馴染む。

 

でも腕のいい大工さん、左官さんの手にかかったところはやっぱり

仕上がりが美しくて眺めて惚れ惚れできるし、手づくり感丸出しは

野暮になったり甘えみたいなものを感じたりするので加減は大事。

 

というわけで一年の目標や過ごし方もそれと似ているように思います。

コツはやっぱり「古いものを少し残すこと」。

 

去年まで続けてきたことの中でこれだけは残そうというものを決めて

そこに新しく合わせるものをイメージする。

でも具体的なことは変更を余儀なくされることも見込んで大まかに。

 

そんなふうに、変わらないところと新しくなるところを交えながら

2020年も歩いていこうと思っています。

 

皆さまにとっても良い一年になりますように!

本年も宜しくお願い致します。