普請負け

今回の改修工事中に知った言葉。

家を新築したり改装したりすると、その後に家の人が亡くなったり大病をしたりする

ことを差すらしい。そこまででなくても大きなお金が動くストレスや簡単に変更でき

ない大きな決断するストレスなどが重なって、体調を崩すケースが結構、多いので

こんな言葉があるらしい。

 

家をいじるというのは大きな出来事なので、そのタイミングや環境の変化も

影響するのかも知れない。確かに体力、気力は相当、要りますよね、、、。

 

ウチの場合はもう放っておけない状況(壊れている!使い勝手が悪すぎ!など)で

背中、押されまくりだったのと、どうせするのなら納得いくものを、という気持ち

に引っぱられてなんとか乗り切ったという感じ。

 

それでも3ヶ月以上、ほぼ毎日、住んでいる場所でトンカントンカン工事の音が響き

業者の人の出入りがあり、一つ一つの工程に決断を求められながら、日常生活の場は

小さくなっているので、一時期とはいえ不便な状況があり夜も外気がバンバン入る中

(まるでキャンプのような状況!)で休み、という生活が続くと健康で丈夫な家族も

順番にちょっとずつ体調に変化が現れる。

 

もちろん、これは苦情でも愚痴でもない。

関わってくれた職人さんはみんなすばらしい仕事をする方ばかりで、毎日ありがたいなぁ、

と思っていたし、こちらの希望をかなえるために根気よくつきあってくれた。

お陰で、今見ても古い家(しかも新建材もあり)をよくここまで仕上げてくれたなぁ!と

しみじみする。なので、あくまで環境の変化と大きな慣れない決断によるストレスなのだ。

 

でも「普請負け」って言葉を義母に聞いて、なーるほどと少し俯瞰して見ることができた。

 

私は嫁(という立場で考えるのも古いけど)でありながら全体を任されていたので描いた

スケッチや設計図は数十枚になり、集めた資料で机は埋まり、夢の中でもどうするのが

いいのか?考えていた。それでも所詮、素人が頭の中で考えていることなので、実際に

出来てくると思った通りにいかなかったりやっぱり違った!ということに出くわす。

 

そうすると、その計画を少し戻し、その計画はなぜそうしたかったのか考えて

その目的に近づけるための第2の方法を考える。

 

それに合わせてパーツや部材の発注をしたり(そしてそれが間違って届いたり!)

予算を組み直したり、そういう繰り返しが、好きなこと楽しいことではあるけれど、

エネルギーをものすごーく使っていたようで、最後に階段から落ちて人生初の

大捻挫をした(痛〜!)捻挫って本当にするものなんだ!と新鮮な驚きだった、笑。

 

娘には「複雑骨折レベルの落ち方だよ」と言われ実際、陣痛意外でこんなに痛かった

ことってあったかな、という痛みだった。けれど骨折じゃないはずと思って今に至る。

家は住む人と気で繋がっているから、やっぱり良い悪いを抜きに気の流れの変化に

なにかが起こりやすいのだと思う。気をつけましょう。

 

住む家や土地って、人と不思議な関係があって、運命さえも変わる。

 

今回は改修が一段落して、最初の出会いは国産の箒をつくっているご家族だった。

考えようによってはメッセージ的でもあるし、自分の思考の方向からいっても

まさにいいタイミングだった。もう日本には箒を作っている所は5軒くらいしかないそうだ。

素材になるホウキモロコシを栽培している農家がまずない。だから、そのご家族は

ホウキモロコシを無農薬で育てるところから、一本一本の箒をすべて手作業で作っている。

 

今は毎日、その箒を使い、場を清めるがごとく掃くのが日課になった。

い草のような香りもよく、掃いている時も清々するような音がして、吊るしても美しい。

こんな箒があったんだ、とかなり嬉しいモノになった。

そして、そのご家族の「気」も相当よかった。

新しい場のエネルギーに馴染めますようにと手入れする道具がこの箒で心強い。

 

稲垣えみ子さんの本を読んで以来、電気掃除機に頼っていた掃除方法に疑問がわき

いい箒への憧れ?が高まっていたけれど、探してみるとなかなかない。

海外のものはデザインはいいけど、大味というか、日本の畳やフローリングの

板の間の埃を掃くにはあまり向いていない。

 

それが、こんなに理想的な箒が両親の住んでいる場所からそう遠くない所で作られていたなんて。

そんなことも、こちらが住んでいる場所を整えて運命が流れ込んできたのだとしたら、

これからの展開もますます楽しみじゃないか!

普請負けというのは厄落としのような役目もあるのかもしれない。

 

それでも、これから家を建てたりいじったりする人がいたら、お祓いをちゃんとして

見えない何かに挨拶もちゃんとして、あまり完ペキにすべてを完成させず、徐々に

家の気と住む人の気をゆっくり馴染ませるように進めるのがいいかもしれません。

 

ウチも器がカタチになったところで、中はまだまだ自分たちですることがあちこちに

残っているけれど、あわてず少しずつ整えていくつもりです。

 どんなこともあまり無理せず進めて行ったほうがいいですね。

 

 

ちなみに箒は松本箒といって信州の方で作られている箒です。

だいたい手に入れるのに2年待ち(!)です。

他に、日本では栃木の鹿沼箒、茨城のつくば箒、神奈川の中津箒などがありますが

松本箒は穂が長いのが特徴です。20年以上持つので柄も丈夫なサクラやクルミや

タモなどの木を使って、穂も麻紐でまとめているのが特徴です。

だからデザインも今の家に合うモダンな印象なのです。

 

そんな貴重なものですが、お店にも数本、入荷しました。が、すでにほぼ完売です。

また入荷した時にはお知らせさせていただきます。