アーサービナード先生

27日のイベント「絵本の向こうに日本が見える!」の

余韻に浸っています。主催者でありながらもじつは自分

が一番、聴きたい立場。今回は観客席の年代も幅広く、

しかも半分以上がリピーターという状況で、2人がどん

な構成で、どんなふうに何を伝えてくれるのか?引き出

しはいっぱいなのでネタには困ることはないことはわか

っているものの、来てくれた人みんなを楽しませて「来

てよかった!」「おもしろかった!」と感じてもらえる

3時間(実際はいつも延長、笑)がどんな内容になるの

か、ワクワクドキドキだった。

 

結果はさすがとしか言いようがないものになった。そし

て、当日までは胃がキリキリしていたくせに、主催もま

たしようと思うことになる。

 

そして、いつもその前後のおしゃべりも楽しみの一つ。

アーサーは詩人だけあって言葉への感受性や運動神経が

ものすごくいいから反応がいつもおもしろくて見逃せな

い。前回の時はちょうど選挙前だった。おくなが屋の前

を通る選挙カーが「お騒がせしてたいへん申し訳ありま

せん!」を音が割れるくらいの大きな声で繰り返し言い

続けていることに、お腹を抱えて大笑いしていた。

 

拡声器から聞こえている間、とうとうどういう考えで立

候補しているのかはもちろん、候補者の名前すら私たち

は聞けなかったのだ。そんな日常によくあることも見逃

さないから、アーサーメガネをかけた途端、あちこちに

話題が溢れることになる。

 

中津駅に見送った時も電車の出発までの時間があった。

その時には子どもたちもアーサーメガネをかけ始めて、

みんなでおもしろい日本語探しが自然と始まる。

 

ー毎日特売?毎日なら「特」は付けないんじゃ?

ー福沢諭吉「先生」?自分側の人を来た人に紹介する時

 に「先生」をつけている、へんな日本語!

ー旬 SEASON ???ワハハー

 

いやもう、私たちはそういう言葉を、目からも耳からも

日々浴び続けて、ある意味、感受性を半分オフにしてい

ないとキリがないので、自動にオフにすることが習性化

しているのだ。一緒に笑いながら、たまにオフ解除もし

ないとな、と思う。

 

ここは無名のブログだから大丈夫と思うけど(まずかっ

たらあとで消します、笑)大ベストセラーを著した作家

の最近の行動への疑問をみんなで話している時に突然、

アーサーの頭上で電球がつくこともある。

 

「『ボケの壁』って一本書いちゃおうかな〜!」と悪戯

をする前の子どものような顔でメモを取っていた、笑。

 

そんな機知を味わいたい方は、ぜひアーサーのエッセイ

を!読んでいるとアーサーの生の声が聞こえてくるよう

な錯覚に陥るほど、すべての言葉が生き生きして、読み

終わった後には言葉に対しての感覚が活性化しているこ

とでしょう。

 

 

ただここで少し心配になるのは、主催する側がこんなに

アーサーを称え、勧め、それがあたかも福沢諭吉先生に

なってやしないかということ(笑)

 

アーサー・ビナード先生(言葉を嗅ぎ分けてね)

になっていないことを祈ります!